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2011年 11月 23日
ニッポンの風景をつくりなおせ/梅原真
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グラフィックデザイナー、梅原真さんのデザインワーク集、
「ニッポンの風景をつくりなおせ」を読み終えました。
一次産業に着目し、
「この産業がうまくいけばニッポンの風景を残すことが出来る」を信念に活動されている方です。
今の自分の関心と重なる部分も多いため、とても楽しく読めました。





数年前、神戸でデザインを切り口にした講演会が開かれました。
ABCクッキングスタジオや青山フラワーマーケットなどの社長が、
直々に会社の哲学や成功事例を発表するもの。
私は仕事で行ったのですが、個人的にもすごく楽しめました。
なかでも印象に残ったのが、栗菓子小布施堂による長野県小布施町の町づくり事例。
日本酒、栗、北斎をキーワードに昔ながらの日本の風景を作り上げた話に、
いつか行きたい!と胸が高まりました。

それから数ヶ月。
親からの仕送りのダンボールのなかに、
なぜか小布施堂の栗きんとんが入っていました。
「ああ、あの時の・・・!」と思って開けてみると、
そのパッケージがとても可愛くて。
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これは誰かバックについているはず!と思って調べたら、
梅原真さんの名前を発見したわけです。
(説明が長い・・・。でも、まだまだ続きます。)

面白い仕事をしている人だなーと思い、本も読まなきゃと思っていた矢先、
今度はRe:Sの藤本智士さん監修の展覧会
Re:Scover NIPPON DESIGNでも梅原さんが登場。
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言葉選びのセンスに脱帽し、
ますます梅原さんに興味がわいてきました。

9月に梅原さんがAXISギャラリーで講演をされるということで、
初めて生梅原を見に行きました。
その時にいただいたサイン。
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お話されていたのは、ほとんどがこの本の内容でしたが、
自分がやろうとしていることは、赤瀬川原平「宇宙の缶詰」だという話は面白かった。
「今あるものを逆転させ、お金をかけずにユーモアを出すモダンアートのようなことをやりたい」のだと。

ここで、著書から印象に残った言葉たちを抜粋。

   ーそのように見える「人の深さ」を見た。雨といに心を寄せて、何かを思える。
    ユタカとは与えられるものではなく、自分自身の中から生まれでるものだと悟った。

   ー高知県鏡村に住んでいたが、一時アメリカに帰国。アリゾナ州からまた鏡村にやってきたアメリカ人。
    「高知はいいよね、自給自足できるから」。
    ボクは、この言葉に過剰反応し、不覚にもみんなの前で泣いてしまった。

   ー地方は自分のものさしを持っていない。いつも、お国のものさしに翻弄されている。
    「振興計画はジブンのモノサシつくりデショ」と言いたかった。

この本は、依頼主の人柄もきちんと描かれていて、
登場する食べ物を食べたくなるし、その場所に行きたくなるし、
何よりその人に会ってみたくなります。

まずは全てのきっかけを作ってくれた小布施に行ってみなきゃだな。

by bld2421 | 2011-11-23 00:47 | book&magazine


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